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第3回「世界テレビの日」中国テレビ大会(2017年11月21日)のメインセミナーにて村上専務理事が登壇

昨年11月に開催された第3回「世界テレビの日」中国テレビ大会のメインセミナーにて村上専務理事が登壇しました。

「世界テレビの日」とは-

1996年11月21日に国連で初の世界テレビフォーラムが開催されたことから、国際連合総会がこの日を「世界テレビの日」と指定しました。
https://www.un.org/en/events/televisionday/

1. 第3回「世界テレビの日」中国テレビ大会の会期、会場及び開催者

  • 2017年11月21日(火)~22日(水)
  • 北京国際会議センター(中国)
  • 共催:中国映画テレビ技術学会、中国テレビ芸術家協会メディア融合推進委員会、BIRTV(北京国際ラジオ映画テレビ展覧会)組織委員会、北京電視台、中国伝媒大学、鳳凰衛星テレビ、央視市場研究(CTR)、中国広視索福瑞媒介研究(CSM)

2. 村上専務理事による講演

  • 11月21日(火)午前の「メイン・フォーラム」内にて講演
    村上専務理事の講演は、国家新聞出版広電総局、CCTV(中国中央電視台)、Baidu、China Interactive Media Industry Allianceなどの講演の後におこなわれました。
  • BEAJはMIPCOM2017に引き続き、参加社の商談をサポートさせていただきましたが、参加された皆様も積極的にマッチングなどReed Exhibitionの企画に参加していました。
  • タイトル:「Overview of Japanese Broadcasting Industry」
    BEAJの紹介、日本の4Kと8K放送政策などを中心に約25分間の内容でした。
第3回「世界テレビの日」中国テレビ大会 会場の様子
村上専務理事による講演

3. 「世界テレビの日」中国テレビ大会の結果概要

  • 参加者:約1,500人(北京からの参加者が43%、北京外からは57%)
  • 参加社構成:機器メーカー及び技術研究所29%、放送局及び通信系企業24%、ケーブル放送局22%、教育関係者12%、プレス5%、行政機関3%、そ の他5%。

4. 村上専務理事スピーチ内容

折しも、今年は1972年9月に日中間の国交が正常化されて今年2017年で45年目を迎えました。記念すべき節目の年の中国大会にお招き頂き誠に光栄に存じます。

BEAJとは、総務省の指導、経済的サポートのもと、放送局や大手商社、広告代理店、そして権利者団体が中心となり、日本のテレビ番組の海外展開の促進を目的に2013年8月に設立されました。

放送コンテンツの海外展開を積極化することで、放送文化の発展や日本への理解と関心を一層高めることを目指しております。そのことで、日本の技術や産業製品、ファッション、文化・伝統、日本語などへの関心を集め、「クールジャパン戦略」に貢献するとともに、観光客の誘致への波及効果を引き出し「ビジットジャパン戦略」にも役立てようとするものです。そして「クールジャパン」「ビジットジャパン」の更なる活性化を図り、日本ブームを作り出し、それによって再び日本の放送コンテンツへのニーズが高まるという「好循環構造」、いわばプラスのスパイラルを構築することも目指しています。

ではBEAJ設立以降、海外の放送局との共同制作番組を各国で放送した結果、波及効果の一つである訪日外国人客はどのくらい増えたのか。日本へのインバウンド数の推移を紹介しますと、東日本大震災が起きる前年の2010年は861万人あった訪日外国人客数が、大震災が起こった2011年には622万人に減少しました。BEAJが設立された2013年には1,000万人を超え、そして海外で放送がスタートした2014年には1,341万人、2015年には1,973万人、そして2016年は実に2,404万人。BEAJが設立された2013年の約2.2倍にまで増加しました。勿論訪日外国人客が増加した要因が、全て放送したことが理由だとは言えませんが、少なからず効果を与えていることは間違いないと考えます。

それでは、2016年の訪日外国人客2,404万人の内訳をみてみますと、中国が637万人でトップ。いかに中国が13億8,000万人と世界第1位の人口を擁し、かつ世界第2位の経済大国に発展したとはいえ、訪日外国人2,404万人の実に26.5パーセント、4人に一人は中国の人々が占めており、お礼の言葉がないほど感謝する次第です。

一方、2016年の世界各国の外国人訪問客数を見てみますと、中国はフランス、アメリカ、スペインに次いで堂々の4位で5,927万人。一方日本は、BEAJを設立し、世界各国の放送局と共同で制作した番組を放送して、波及効果を発揮し目立って増加しているものの、訪日外国人客は2,404万人で世界16位にとどまっています。

他方、世界各国の外国人訪問客数に影響を与えるものの一つに、世界遺産登録数が上げられると思います。今日現在のランキングを見ますと、中国はイタリアの53件に次いで52件で世界第2位。ちなみに日本は21件で世界12位です。さすが4000年の歴史を誇る中国の大きな強みだと思います。日本も世界遺産数は容易に増やせるものではありませんが、放送を通じて世界各国の皆さんが一層日本への興味と関心を寄せて頂き、オリンピック、パラリンピックが開催される2020年には訪日外国人数を4,000万人に増やすことを目指しています。

今、日本の放送業界やメーカーの間で話題となり、課題となっているのは「4K、8K」の推進です。日本での放送の歴史は1925年にラジオ放送がスタートして以来、白黒テレビ、カラーテレビ、BS放送、ハイビジョン、デジタル放送へと進化し、この間テレビ受像機はブラウン管の箱型から液晶の板へと劇的に変わりました。放送はこれまでもこれからも技術革新とともに歩む宿命にあります。

現在放送している2Kの液晶モニターの画素数は200万ですが、4Kは4倍の800万、8Kに至っては16倍の3,300万画素です。まさに超高精細な画質で、立体感、臨場感あふれる映像が楽しめることになり、医療や教育分野などでの利活用が見込めるだろうと言われています。総務省のロードマップでは、2020年までには4K、8Kの本挌放送をスタートさせて、オリンピック、パラリンピックは誰もが立体感臨場感に満ちた映像で楽しむことが出来るという計画です。BEAJ、放送コンテンツ海外展開促進機構としましては、4Kコンテンツの推進を含め、現在進めている海外との共同制作による番組の放送を、中国や欧米などと一緒に推進して行ければと考えています。

また、毎年4月と10月にカンヌで開催されるMIPTVとMIPCOMという世界最大規模の番組見本市がありますが、BEAJはMIPCOM2016で総務省と一緒に「Country of Honour」の企画制作、運営を担当し、8Kの魅力をはじめ日本のコンテンツをアピールして、日本への関心を高めることができたと思っています。

併せて私たちは、日本全国の番組の情報やコンテンツの内容がネットを通じて把握出来、かつコンテンツの取引が出来るサイト、「ジャパン・プログラム・カタログ(JPC)」を2017年4月に本格スタートさせました。

東京で開かれるTIFFCOM以外にもMIPCOMやシンガポールで開かれるATFなどにも出展し、JPCのパブリシティーをはじめ、海外の放送コンテンツ関係の方々と日本の地方放送局の人たちとの出会いの機会を創出して番組コンテンツの販売や購入、そして共同制作につながるような支援を強化しております。そのことで、放送を通じて更に文化、情報、そして人々の世界的な交流や、国際的な貢献に繋がれば至上の喜びと考えています。

放送がデジタル化されたことにより、通信と融合した放送と放送コンテンツに期待される使命と役割は、これから一層重大に、かつ無限に広がると思っています。今日ここにお集りの皆様方の益々のご健闘を祈りますとともに、御一緒にさらなる放送文化の向上に力をつくせれば幸いです。

ご清聴誠に有り難うございました。

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